02 ライフラインとしての物流

生存に不可欠な「食」と
社会インフラとしての「物流」の接点にあるやりがい。

人が交流すると、モノの移動が必要になる。
そして「モノを運ぶ」ことに、最初の価値が生まれた。
さらに「速く」「確実に」「安全に」「効率的に」…と人の進化が物流の進化を促してきた。
今、物流は「経済の血液」とも呼ばれる。
いかにIT が進化してもモノが動かないかぎり、リアルな「経済」は動かないのだ。
まして当社は人の生命に関わる「食品」を運ぶ。
その仕事における責任…困難を乗り越えて使命を果たした時の充実感は計り知れない。

熊本地震の体験と教訓

2016年4月14日夜と4月16日未明、相次いで熊本を襲った震度7の大地震。今もまだ復興の途上にある未曽有の災害に、シモハナ物流も遭遇しました。特に災害時、水や食料を運ぶ「食品物流」は文字通りのライフライン。その機能は人の命を左右します。ただその時の熊本物流センター(熊本営業所)は、ライフラインの担い手であると同時に被災者でもありました。現場で指揮に当たった熊本営業所長の多賀は、当時をこう振り返ります。
「1回目(14日)の地震の時は、まだ何とかなりました。まずは従業員全員の無事を確認し、道路も大丈夫だったのでお客様から配送停止の指示がない限りは配送をしました。しかし2回目(16日)は状況が違った。1回目の地震による混乱のため、全員総出で夜中までかかって翌朝の配送分の仕分けに当たっていたんです。そこにドンっときた。その時点で、前回よりも酷いことになると直感しました。とりあえずみんなで駐車場に避難して夜を明かし、全員を一旦自宅に戻して、スタッフ一人ひとりの自宅や家族の安否状況を確認し、再度出勤できる者だけ出てもらいました。停電はもちろん水道も止まり、道路状況も不明。そんな状況でも荷物をどう届けよう?そのことが気がかりでした」。

その時、九州ブロック長の海野もまた福岡で眠れぬ夜を過ごしていました。深夜、多賀からの2回目の地震の連絡を受けた海野は、当面の対応の指示をした後、夜明けを待ってとりあえずの支援物資を買い込み自家用車で熊本に急行。「とにかく現場の状況がわからないと判断のしようがない。道路状況の確認も兼ねてとりあえず出発した、そんな感じでしたね」(海野)。
一方、夜が明けた現地では、出社できた社員だけでできる限りの配送を開始。「納品というより、とりあえず走ってみて道路の確認をするという感じでしたね。結局、届けられた荷物は4割以下。しかしこの時は、荷主様も現地の店の状況がわからないので『とにかく見てきてくれ』ということで。緊急時の情報の大切さを痛感しました」(多賀)。

そうした状況で、もっとも素早い対応ができたお客様が大手外食チェーンのZ社様でした。一部の店舗は17日(2回目の地震の翌日)にも店を開け、18日には東京から運んだキッチンカーで益城町での炊き出しを開始(牛丼2500食を無料で提供)。その食材を運んだのはシモハナ物流でした。福岡ですべてを統括していた海野は言います。
「Z社さんが迅速に立ち上がれたのは現地の状況をいち早く把握できたからです。震災後すぐに部長が現地に入って店舗状況を把握し、陣頭指揮に当たられていた。だから我々も動くことができた。初動においては情報がすべてでしたね」。
熊本地震の体験は、シモハナ物流全社の危機対応さらには常時の体制にも大きな学びをもたらしました。まず前述の「情報の重要性の認識」。気合や憶測で動くのではなく正確な情報をもとに動けばパニックには陥らない。またお客様に「できること」「できないこと」を根拠をもって伝えられる。そのほうがお客様は安心されるのです。また拠点間のバックアップ体制と危機を想定した幾通りものシミュレーション。さらには現地に自社の拠点があることの重要性。それらは震災後すぐに本社から現地に駆けつけて支援に当たった企画部の川尻によって全社の経験・ノウハウとして共有され、仕組み化されています。

熊本営業所長/多賀 洋勝

熊本営業所長/多賀 洋勝

九州・山口ブロック長/海野 明史

九州・山口ブロック長/海野 明史

本社 企画部/川尻 雄勝

本社 企画部/川尻 雄勝

「食」を届ける責任とやりがい

「私たちが運んでいるものが食品ではなく、雑貨などであればここまでの危機対応はないかもしれません。しかし私たちが運んでいるものは、それがないと生活できないもの。その事実を痛切に感じたできごとでもありました」(海野)
ふだんの私たちにとって食品はあって当たり前のもので、そこにあることにありがたみを感じる機会は少ないでしょう。しかしひとたび事が起きればすぐに生存の危機につながる…そんなライフラインを私たちは物流によって支えているのです。企画部の川尻は、今回の危機対応を振り返りながらあらためて言いました。
「物流の仕事は、いかにIT化を進めても最後は人の力でモノを運ぶ労働集約型の仕事です。でも絶対になくならない。その中でさらに食品という、これもまた絶対必要なものを運んでいることに対してはいっそうの責任を感じました。一方で、日々モノを届けることが使命ですが、ある道路が通れなくなったら他のどういうルートで納品できるかなどリスクヘッジのパターンを考えることは、私には楽しくもあります。決められた通りのことなら誰にでもできますが、ちょっと組み変えることで効率が上がる、効果が見える。そうした改善がまた人々の暮らしに役立つ。そんなやりがいを体感的に得られる仕事だと思います」。

 

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