02 ライフラインとしての物流

生存に不可欠な「食」と
社会インフラとしての「物流」の接点にあるやりがい。

人が交流すると、モノの移動が必要になる。
そして「モノを運ぶ」ことに、最初の価値が生まれた。
さらに「速く」「確実に」「安全に」「効率的に」…と人の進化が物流の進化を促してきた。
今、物流は「経済の血液」とも呼ばれる。
いかにIT が進化してもモノが動かないかぎり、リアルな「経済」は動かないのだ。
まして当社は人の生命に関わる「食品」を運ぶ。
その仕事における責任…困難を乗り越えて使命を果たした時の充実感は計り知れない。

相次ぐ災害で再認識される「ライフラインとしての物流」

集中豪雨、地震、台風、火山の噴火…。近年、私たちは「未曾有の」と言われる災害に毎年のように遭遇するようになりました。2018年7月に西日本を襲った集中豪雨では、シモハナ物流が本社を置く広島県の坂町でも大規模な土石流が発生し、当社従業員も含め多くの人が被災されました。
そうした災害の現場で、私たちが直面するのが水や食料の不足といった困難です。テレビのニュース映像では給水車に並ぶ人々の様子や炊き出しのおにぎりを頬張る子どもたちの姿が映し出され、地元のスーパーやコンビニエンスストアが商品である食材を提供したという話題が取り上げられます。
ただ、人の生命を左右する水や食料は、蓄えだけではすぐに底をついてしまいます。誰かが運び届けなければ…。災害時、水や食料を運ぶ「食品物流」は文字通りのライフラインとなるのです。

熊本地震での体験

2016年4月、熊本が2度にわたる大地震に襲われた時、シモハナ物流の熊本物流センター(熊本営業所)は、ライフラインの担い手であると同時に被災者でもありました。その時、現場で指揮に当たった営業所の所長はこう振り返ります。

「1回目(4月14日)の地震の時は、まだ何とかなりました。まずは従業員全員の無事を確認し、道路も大丈夫だったのでお客様から配送停止の指示がない限りは配送をしました。しかし2回目(4月16日)は状況が違った。1回目の地震による混乱のため、全員総出で夜中までかかって翌朝の配送分の仕分けに当たっていたんです。そこにドンっときた。その時点で、前回よりも酷いことになると直感しました。とりあえずみんなで駐車場に避難して夜を明かし、全員を一旦自宅に戻して、スタッフ一人ひとりの自宅や家族の安否状況を確認し、再度出勤できる者だけ出てもらいました。停電はもちろん水道も止まり、道路状況も不明。そんな状況でも荷物をどう届けよう?そのことが気がかりでした」。

しかし一夜明けた現地では、出社できた社員だけでできる限りの配送を開始。

「納品というより、とりあえず走ってみて道路の確認をするという感じでしたね。結局、届けられた荷物は4割以下。しかしこの時は、荷主様も現地の店の状況がわからないので『とにかく見てきてくれ』ということで。緊急時の情報の大切さを痛感しました」。

そうした状況にあっても、迅速な対応ができたお客様がありました。中でももっとも早く動かれたのが大手外食チェーンのZ社様。17日(2回目の地震の翌日)には営業可能な一部の店舗を開け、18日には東京から運んだキッチンカーを使って益城町での炊き出しを開始(牛丼2500食を無料で提供)されたのです。そしてその食材を運んだのは、我々シモハナ物流でした。 

「食」を届ける責任とやりがい

熊本地震での体験をご紹介しましたが、こうした事例は残念なことにいま全国各地で起こっています。
物流の仕事は、いかにIT化を進めても最後は人の力でモノを運ぶ労働集約的な仕事です。しかし、絶対になくなることのない仕事でもあります。それは人の暮らしに欠かせない機能だから。まして、シモハナ物流が扱っているのは「食品」なのですから。
ふだんの私たちにとって食べ物はあって当たり前で、そこにあることにありがたみを感じる機会は少ないかもしれません。しかしひとたび事が起こればすぐに生命の危機につながる…そんなライフラインを私たちは、責任と誇りを胸に日々支えています。

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